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  • リスクコミュニケーション教育について

    次にリスクコミュニケーション教育について伺います。

    危機管理では、個人の意思決定と集合体としての意思決定のバランスが重要であります。世界の情勢を見ますと、個人の合理的な行動が集合してしまうと、却って集合体全体が危機的状況に陥る可能性が高まり、結果として個人の危機も高まるということを改めて教えてくれました。

    新型コロナウイルスとの戦いでは、マスクの購入など自分の身を守るために一人で大量購入などすることで、必要な数が医療機関などに回らずに却って危険な状況に陥ってしまったり、また、非感染地域などのより安全な場所へ避難することで、感染拡大のリスクが高まってしまう危険性もありました。

    平時からリスクを回避することで、他のリスクが高まること、リスクトレードオフの関係性も我々は認識しなければいけないのだと思います。

    移動の自粛が緩和されてきている今、日本全体にいつ第二波が来てもおかしくない状況でありますが、そんな不安がある中でも経済活動をしっかりと回復させ前に進んでいかなければいけません。

    仮に第二波が来たとしても、市中での感染爆発をさせないような押さえ込みと、クラスターが発生しないような囲い込みが重要であり、感染が確認されるたびに全てをストップさせていては全体が疲弊してしまいます。

    これまでの感染対策とこれからの感染対策は違い、感染者が出ても出なくても一喜一憂すること無く、対策そのものをしっかりと理解してもらい、県民市民と一緒に前に進んでいくことが重要であると考えます。

    そういった意味では、感染者がいない今を有効に使わなければいけません。リスクコミュニケーション、学校での段階的な対策の説明、平時の予防策など可能な限り幅広い周知と理解が必要になります。

    出口が見えない中で走り続けるのはとても辛いことでありますので、県として各フェーズでの対策を県民に明示し理解をしてもらうことが、経済活動との両立や、教育の機会を最大限確保していく上では重要となるのではないでしょうか。

    大切なことは、リスクをゼロにすることではなく、極力リスクを小さくした上で、そのリスクと上手く付き合っていくという教育、価値観の共有にあります。

    新型コロナウィルス感染症以外でも様々なリスクに直面した時に、不安に苛まれるのではなく、どのような選択をするのかを自分自身で決断し実行できるようにすることです。

    様々な意思決定に際しては、リスクをどう捉え、どう対処するかという問題が存在しますが、何度も言うように、世の中のことにゼロリスクはあり得ません。

    リスクを恐れるあまり、リスクを大きく回避した結果、もっと大きな他のものを失うこともあることを我々は認識しないといけないという局面に来ていると考えます。

    秋田県の場合、実際の感染状況よりも心理的な不安感の方が高いように感じます。

    長期間新型コロナウイルスと付き合っていく上では、県民の不安感を払拭することも、安全対策や危機管理体制の強化と同じくらい重要と言えます。

    またリスクに関する教育の基本的な考えを学ぶことは、コロナウイルスによるリスク管理だけではなく、他のことにも応用をすることができます。

    リスクコミュニケーションを行うことで、私たちは当事者としてよりしっかりとした意思決定を行えるようになり、私たち自身の生活を改善していくことにもつながります。それは、様々な政策決定プロセスでも当事者意識を持つことにもつながり、結果として住民自治の向上にもつながるのではないでしょうか。

    平時においてこそ、どこまでリスクの対策をしていくかというのと同時に、どこまでリスクを許容するかということを我々県民は考えていかなければいけないのではないでしょうか。

    私は、リスク管理について、平時の啓蒙が必要であると考えており、県としてリスクコミュニケーション教育を積極的に行なっていくべきと考えますが、危機管理監のご認識をお伺いします

     

    前置き

    新型コロナウイルス感染症の拡大防止策について

    リスクコミュニケーション教育について

    インフルエンザ対策との両立について

    誹謗中傷対策について

    避難所運営の協力体制について

    児童心理治療施設の整備について

    東京一極集中の打破について

    サプライチェーンの国内回帰と県内誘致について

    移住定住対策について

    第二期あきた総合戦略の見直しについて

    イージス・アショアの運用プロセスの停止について