次に、いじめ防止策についてお伺いします。
十月に発表された文部科学省の問題行動調査において、秋田県内のいじめの認知件数が、小学校、中学校、高校、特別支援学校、全てで増加してしまいました。
報道ベースですが、「教員が児童生徒の様子をよく観察し、事態が深刻化する前に対応しようとしているため」というのが増加している要因としています。この点に関して、日頃の先生たちの努力に敬意と感謝を伝えさせていただきます。
しかし、子ども達が安心して学校に通うための環境を創っていくために、私たちはもっともっと努力をしなければいけません。また、同時に子ども達に対して「君は一人じゃないよ」というメッセージを発しなければいけないと考えています。
いじめを受けた当事者の話を聞くと、学校への不信感が強いように感じます。先生に相談をしても仲直りさせようとするだけだったとか、逆に学校に行きづらくなってしまったといったことを相談されました。
真面目な子ほど、虐められても親を心配させたくない、自分だけ我慢すれば済むと思ってしまい、初期の段階では誰にも相談できないそうです。
また、いじめを目撃している他の児童生徒も、いじめの対象が自分になってしまうのではと不安になり、相談できなかったということも言っていました。
いじめは、加害者側が一〇〇パーセント悪いと私は思いますが、そこまでに至るケースは様々であり、被害者のみならず、加害者のケアも必要です。全ての子どもたちを守り、保護者も安心して学校に通わせることができる環境を創るために、一日も早い更なる改善が求められます。
そこで、まずはいじめの認知件数が増加している要因を県ではどのように捉えているのか、また、どのように改善していくべきなのかを教育長に伺います。
私は大学生の時に教職課程を受講していましたが、そこで聞いた中に、人間関係を形成していく上で忘れられない言葉があります。
・嫌いな人はいても良い。無理に仲良くする必要はない。
・でも、その人の尊厳を踏みにじったり、その人に干渉するようなことをしてはダメ。
・違いを認め合うことの一番の効果、効能は、この人とは一生交わることはないのだなと知ること。そしてそれを前提に人付き合いしていくこと。
・話し合えばすぐに分かってもらえるなんてことは絵空事。
・それでもとことん話し合う。話し合えば、この人と自分は違うのだという事が分かる。
この言葉を聞いてから、比較的人間関係が楽になりました。自分と他人は外見も違えば、考え方も違うのだと。
いじめは根絶しなければいけません。しかしその対策は、いじめは絶対になくならないことを前提に進めなければいけないと考えています。反面、先生たちにさらに業務の負担を増やすような対策であってはいけないとも思います。
直接会って話を聞くというのが本来あるべき姿なのかもしれませんが、時代の変化とともにその相談体制も柔軟に対応していかなければいけないのではないでしょうか。
大阪府では一昨年から、宮城県でも今年から本格的にSNS(LINE)を活用した、いじめ相談をスタートさせています。また、群馬県ではSOSの出し方をテーマとした冊子を配布しているそうです。
そこで質問ですが、県では、いじめに関する通報・相談を安心してできる体制をどのように整えているのでしょうか。
また、先ほど挙げた事例のように、本県でも、時代に合わせて新たな相談体制を整えることも必要なのではないかと考えますが、知事のお考えを伺います。
【前文】
【子どもに優しい秋田県に向けた取組について】
【答弁】子どもにやさしい秋田県に向けた取組について
【答弁】「参加する権利」の確保に向けた取組について
【児童虐待対策について】
【答弁】いじめの認知件数の増加要因と改善方法について
【答弁】いじめに対する相談体制について
【不登校の子どもへの対応について】
【答弁】不登校の子どもの増加要因とその対応について
【答弁】スクールソーシャルワーカーの増員について
【イージス・アショアの配備について】
【答弁】イージス・アショアの配備について