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  • 一般質問【児童虐待対策について】

    2019.12.05

    次に、児童虐待対策についてお伺いします。

    私が所属する福祉環境委員会の所管事項ではありますが、知事の考え方、基本姿勢をお聞きしたくあえて取り上げました。

    児童虐待に関しては、記憶の新しいところで昨年三月に起きた、東京都目黒区での女児虐待事件、今年一月に起きた千葉県野田市での小四女児虐待事件、今年九月の江東区での三歳児死亡事件、そして島根県安来市の小四男子の死亡事件があります。

    本県でも、二〇〇六年の園児殺害事件がありますし、先日は大仙市で事件が起きてしまいました。

    これだけ児童虐待が社会問題化していてもなくなりません。虐待を世界からなくすためにはどうしたら良いのか、どのような支援をしていかなければいけないのか、全ての大人が考えなければいけないのではないでしょうか。

    それぞれケースも異なり、家庭環境や家族のあり方も複雑化、地域の繋がりも希薄化している中で、行政がどこまで手を出すのかなどの難しい課題は多く残ってはいますが、第一に考えるべきは子どもの命であることに変わりはありません。

    各種メディアや世論では事件が起きるたびに、虐待する親への厳罰化を求める声や、児童相談所の対応を非難する声が上がります。 私も、どんな理由であれ、虐待を許すことはできませんし、児童相談所の対応が良かったとも思っておりません。

    しかし、私たちが目指すべきは、犯人を責め立てることや児童相談所の対応を責め立てることではなく、子どもの人権を守ることを誓い、児童虐待を根絶していくことにあります。

    私には、子どもを虐待する気持ちは全く分かりません。しかし、それは、たまたま自分の父親や母親に恵まれ、周りの協力もあり、そして何より、妻が私以上に自分を犠牲にして娘たちを明るく、そして元気に育ててくれているだけなのかもしれません。

    本県で虐待に苦しむ子どもをいかにして救うか。それを、一人の政治家として、一人の父親として子どもたちにも家族にも誓いました。

    だから、私は秋田から、日本から、そして世界から児童虐待がなくなるまで、問題提起をし続けようと思っています。

    平成二十七年からは児童相談所の対応件数が四〇〇件を超えています。これは、今まで目の届かなかったところにまで行き渡るようになったことと、社会の関心が高まった事が一つの要因かと思います。

    相談件数の増加を悲観的に捉えるのではなく、通報や相談が早期発見とその対応に繋がっており、虐待防止に向けた取組の効果が出ているのだと評価されるべきことでもあります。

    一方で、子どもとその家族を支援するための仕組みづくりと支援策の強化がより重要になってきますし、相談員や職員のスキルアップも欠かすことはできません。

    兵庫県明石市では、虐待の防止に向け、虐待発生件数が多い〇歳児のいる全世帯にオムツを配布し、その都度、子どもの安否と保護者の心理ケアをしていくという方針を打ち出しました。

    虐待防止に向けては、子育て世帯、特に母親を孤独にさせないための取組も欠かすことは出来ません。実際に赤ちゃんや小さい子を連れていて困るのは、突然泣き出してしまいどうしようもない状況になってしまった時です。そして、たまに非常に冷たい視線を感じることがあり、子育てに対する不安感や孤独感を覚えることがあります。

    その孤独感や不安感を一人で抱えてしまい、児童虐待につながってしまっているという事例もありますが、そのような時に「赤ちゃんは泣くのが仕事よ」と一声かけてもらった時の安心感は絶大です。

    現在、WEラブ赤ちゃんプロジェクト「泣いてもいいんだよ」運動というのが全国の十四の県が趣旨に賛同し、運動を展開しています。

    社会全体で子どもを育てるのだというメッセージを発する上でも、そして子育て世代を孤独にさせないためにも、是非とも同プロジェクトに賛同していただき、秋田県でも運動を後押ししていただきたいです。

    また、厚生労働省は児童虐待の通報や相談を二十四時間受け付ける全国共通ダイヤルの一八九、「いちはやく」の通話料を無料にする方針を打ち出しました。

    通報をきっかけに、行政も状況を把握でき、それにより支援にもつながります。ぜひ、各家庭、地域、学校、医療機関など全ての方に協力をしていただき、このダイヤルの普及啓発もさらに進めていただきたいです。

    本県でも、虐待は絶対に許さないとの強い決意を示すため、十一月二日に「秋田県児童虐待防止宣言」を発表したところです。

    今後はこの宣言に留まらず、併せて具体的な取組も必要と思いますが、児童・幼児虐待問題に対して県として今後どのように向き合っていくのか、また虐待の根絶に向けて、具体的にどのように取り組んでいくのかを知事に伺います。

     

    【前文】
    【子どもに優しい秋田県に向けた取組について】
    【答弁】子どもにやさしい秋田県に向けた取組について
    【答弁】「参加する権利」の確保に向けた取組について
    【児童虐待対策について】

    【答弁】児童虐待対策について
    【いじめ防止策について】

    【答弁】いじめの認知件数の増加要因と改善方法について
    【答弁】いじめに対する相談体制について
    【不登校の子どもへの対応について】

    【答弁】不登校の子どもの増加要因とその対応について
    【答弁】スクールソーシャルワーカーの増員について
    【イージス・アショアの配備について】
    【答弁】イージス・アショアの配備について