次に、「貧困をなくそう」という観点から、秋田県が考える自助、共助、公助のあり方についてお伺いします。
菅総理大臣が総裁選選挙の際に掲げたスローガンとして「自助、共助、公助、そして絆」というのがありました。
私の認識では、自助、共助、公助とは、全体の中で自助できる人が一人でも増えることで、その分の財的・人的リソースを公助に回すことができ、結果として公助で救える人を増やしていくことだと認識しています。
初めから公助が前提の社会は、頼みの公助すら成り立たなくなる危険性が高まります。
また、これからの社会情勢を考えると、行政としても公助を手厚くすること以上に大切なことがあります。
それは働く意思があれば長く働くことができ、かつ、自立できる報酬を得られるようにすることです。
そのためには、自助できる人たちを増やしていく施策を積極的に展開していかなければなりません。
特に社会保障の分野では、自助、共助の部分は非常に重要です。例えば公的年金は共助があってこそ成り立ちますし、その前提として自助の部分が大きくなければいけません。 そして、生活困窮者の支援や人権擁護、虐待対応など、自助、共助で対応できないことに対して積極的に公助のリソースを回していくことが、結果として公助を必要とする人を多く救うことができるのだと考えます。
また、大規模災害の発生時は、行政職員も被災者になりますし、学校などの避難所の運営も地域住民が主体的に行う共助の部分と、自分の命は自分で守る自助意識を持った上で、支援を必要とする人を助ける余力が生まれてくるのだと思います。
貧困を無くしていく上でも、大規模な災害時でも、一人でも多くの命を救うために、このような認識は大切だと考えます。
そこで、自助、共助、公助についての知事のご認識をお聞かせください。
7 ・県民に向けた本県の魅力発信について
8 ・北朝鮮による拉致被害者の救出に向けた啓発について
9 ・差別の解消に向けた条例について
答 弁
私はこれを、自由と豊かさを追求する国民の活動を保障する、社会の基本的デザインであるととらえております。
ともすれば、誤解を受ける「自助」ではありますが、これは個人に強要するものではなく、それぞれの持てる能力や資質に応じて、可能な範囲で行われるものと考えております。
この「自助」を基本に、国民に共通したリスクである老いや病気、失業などを保険制度等の「共助」で補完し、それでも対応できない状況には、最低限度の生活を守り、再起の機会を「公助」で確保することで、社会全体の発展を目指すものであり、こうした考えは、防災対策の基本にも通じるものと思われます。
今後、少子高齢化や人口減少の一層の進行が見込まれる中、将来にわたって持続可能な社会を形成する上で、すべての人が活躍できる社会づくりは重要な課題であり、自然な形での「自助」、お互いを理解しながらの「共助」、しっかりと全体を見極めながらなすべき事をなす「公助」のバランスのとれた組み合わせが、こうした取組の基盤になるものと考えております。