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  • 結局のところ最終的には、署名の重みをどこまで感じるかということだと思う。

    2017.07.06

    秋田県議会総括審査での佐竹知事の発言がスタジアム整備に向け活動している人たちの間で波紋を呼んでいるようです。私のところにも以前ツイッターでスタジアムの件で「寄付や募金を募るのも一つの手段」という旨の発言をしたら、今回の知事の発言でメールやメッセージが送られてきました。
    厳しいものから、賛同する意見と様々ですが、今回の知事の発言と、私の基本的にスタンスは違います。

    知事選、市長選の公約としてスタジアム整備に動き出した以上はしっかりと責任を持ちスタジアムの整備費も含め考えなければいけないと思います。(検討会に参加するというのが公約になっているのでどこまで踏み込んで考えているかは分かりませんが・・・)

    「署名する人は責任がある。18万人が1人1万円出せば、18億円。企業も署名したところは1千万円くらい出す。それくらいの腹でないと署名するべきではないですよ。」

    「求めるほうは勝手ですから。自分で金を出すわけではない。こちらは行政全般の責任がある」

    思えば、私が選挙に出る前もハピネッツのブースターがアリーナ建設を求める署名を集めている最中にも「あんなもの」という発言がありました。署名に対する知事の認識はそのようなものなのでしょう。
    コメントの中の「求める方は勝手」というのはどうなんでしょうか。県民はもっと怒っていいと思います。
    私は署名活動自体が民意を表すためのとても重いものだと思っていますが、署名の重みをどこまで受け止めるかはあとは受け取った側の判断であり、受け取った方が「意味がない」と言えばそれまでとなってしまいます。おそらく現職は、署名に対してそのような認識しかないのかなと感じます。

    行政側が「建てて欲しけりゃお金を出すべきだ!!」と言うのと、サポーターを中心に「少しでも建設費の足しにするために募金集めてみよーぜ!!」というのは全く次元の違う話です。
    私が求めている動きは後者であり、その流れを作っていくことで様々な分野で官民協働が生まれていくのではないかと信じています。

    しかし、佐竹知事の考えも私は分からなくもないです。
    法的に拘束力のない署名でも集まれば何でもかんでも望み通りになるのであれば、首長はいらないですし、私たち議員もいりません。また、10年後、20年後のことやサッカーのこと以外のこともしっかりと考え行財政運営をしていかなければいけません。

    そう言えば、数ヶ月前に私が「サポーターも一緒に財源など考えていければ」という旨の発言をツイートしたら、税の二重取りだとか署名の重みを分かってないとか次の選挙で落ちればいいのにとか言われましたが、私は今でもそう思っています。
    当然行政運営での無駄を廃していくのは当然のことですが、冷静に考えてJリーグ側が勝手に決めているJ1、J2の基準に全国のチーム全てを当てはめて考えるというのが、まず指摘しなければいけない点だと思います。
    秋田市は30万人の都市ですが、10万人の都市でも、100万人の都市でもこの基準に変わりはありません。建設だけで考えればどこの自治体もある程度のものは対応が可能でしょうが、その後の維持費や更新費を考えれば二の足を踏むのは分からなくもないです。
    私は首長ではありませんのであれですが、仮に首長だったとしたら、ブラウブリッツと一緒になってこの基準の見直しを一緒にお願いに行くことを、まずはしなければいけないと思います。でなければ、ある時に急に基準が変わり、極端ですが5万人以上とかリボンビジョンがなければダメとかそういった基準が設けられる度に対応をしていかなければいけなくなります。

    私も、先の一般質問ではスタジアムの整備に関して質問をしました。
    当局にどう伝わっているかは分かりませんが、まずはホームタウンの秋田市が主体性を持って進めていってほしいという点、もう一点は検討会を進めるにあたり反対をする人たちは必ずいるので、そのような人たちに向けてもしっかりと合意形成を図っていく上でも新築ありきではなく、既存の施設の改修も含めしっかりと議論をし検討を進めていくべきというものでした。

    サポーターにとっては喉から手が出るほど基準にあったスタジアムを望むというのは当然のことであり、私も同じ気持ちです。
    しかし、政治家として判断をしなければいけないとしたら、もしかしたらこのスタジアムの整備に使う予算が本来であれば子ども施策や子育て施策に関する分野に使えるかもしれないので、すぐにゴーサインを出すことは出来ません。

    佐竹知事の言い分も分かりますし、サポーターの言い分も分かります。
    ここはスピード感を持って進めていくためにも、佐竹知事が言うように先にお金を集めてしまって、本当に言い訳が出来なくなってしまうような環境を主導していきというのもありなのではないでしょうか。

    当面の間首長選挙はありませんので、今出来る最善の策は、私たち政治家は事あるごとにスタジアムのことを取り上げること、そして市民の皆さんは署名以上の具体的な行動をさらに進めていく事だと思います。

    「建設に向けてスピード感を持ってやりたい。スピード感を持ってやっていくためには、財源をどうするか、議会への説明をどうするか、反対派を含め民意をどうやって醸成していくかを考えた時、署名してくれた人たちには更なる協力をお願いしたいと思っている。行政で出来ることには限りがあるので、民間からも協力を仰ぎ、例えば寄付を募るだとか、募金を募るだとか、そういったあり方も検討していかなければいけないのではないか。」くらいの感覚で、一緒に動いていく事が現時点ではもっとも早い整備に向けた動きになると思います。