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  • それでも高齢者コインバス事業の65歳への対象年齢引き下げには疑問を抱かざるを得ない。

    先日の一般質問で高齢者コインバス事業の対象年齢引き下げに関して取り上げたのですが、応援してくれている人からも、そうじゃない人からも、電話やメールで様々な意見をいただきました。
    総じて、
    「高齢者コインバス事業を無くさないでほしい」
    「バスでしか移動できな人もいるということをもっと真剣に考えるべき」
    「100円じゃなくなったら宇佐見さんのせい」
    「高齢者を敵に回したら次の選挙は受からない」

    などなど・・・

    携帯電話やメアドを公開しているとこのようなことが起きるのですね。苦笑
    でも、私はそれでも高齢者コインバス事業の「65歳への引き下げ」はもう少し慎重に考えるべきだと思っています。

    一般質問の原稿でも述べましたが、まず、効果の客観性に乏しいということ。
    市役所の答弁では、市のアンケートやバス会社の年4回の利用者調査などで満足度も高く、生きがいづくりに寄与しているとのことですが、そもそも利用している人が答えるアンケートで満足度が高くならないはずがなく、客観的ではありません。

    私が求めているのは、事業目的にあるように「高齢者の外出機会が増え、それが生きがいづくりに寄与している」という客観的な証明です。
    そもそも、安いバスがある地域とない地域の高齢者に「生きがい」に差異があるのでしょうか。それすら疑問です。

    また、平均寿命も伸び一昔前の人生60年の時代はとうにすぎ、今では人生80年、2040年には平均寿命も90歳を超えるという推計も出ているのに、果たして65歳を高齢者と言っていいのでしょうか。
    また、現代では生きがいづくりを必要としているのは高齢者だけではなく、若年層にもその対策が必要となっています。

    ということで、金曜日の委員会でこの「高齢者コインバスの65歳への引き下げ」についていろいろと聞きました。
    すると面白いくらい明確な答弁が返ってこないというのが現状です。
    例えば、「高齢者の中には年金だけで生活している人や車がないまま生活している人もいる」という答えは、他の世代で同様の人がいた場合も同じ事業をしなければいけないと思いますし、「介護予防にも寄与している」というのであれば、70歳から68歳に引き下げたときに介護予防においてどれくらいの効果があったのかしっかりと検証をし示すべきことだと思います。

    ただ勘違いをして欲しくないのは、高齢者コインバス事業自体に反対をしているわけではなく、65歳に引き下げる前に合理的な根拠をしっかりと示してほしいというだけです。
    仮に、これが新規事業であれば、今回の答弁のように生きがいづくりや外出機会の増加、健康寿命の延伸、予防介護に寄与する可能性があるので検証の意味も含めて進めることはいいですが、すでに6年もやっていて客観的なものが何もないまま「急いで今年引き下げる」明確な理由というのが私には見つけることができませんでした。
    仮に客観的なデータに基づき上記に貢献していたというのであれば、どんどん進めればいいでしょうし、予防介護に寄与しているのであれば介護保険の中で予算化して進めるべきことだと思います。

    今回の引き下げに伴い予算化されるのは1396万7000円と全体の予算からすれば少しの額かもしれませんが、こういったイメージ先行で予算化している事業を少しずつ検証、見直しをしていかなければ、本当にいくらあってもお金は足りません。
    ちなみに高齢者コインバス事業の全体の予算は1億2317万6000円と今回の合計1億3714万3000円となります。
    28日が予算決算委員会での採決で、30日が本会議での採決ですが、最後の最後まで真剣に悩み抜きたいと思います。