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  • 憲法記念日に憲法改正について考える

    2018.05.03

    こんにちは。秋田市議会議員の宇佐見康人です。
    ゴールデンウィークの後半はあいにくの雨ですが、いかがお過ごしでしょうか?県内市内でも様々なイベントが行われていますが、屋外でのイベントに参加される方は風邪を引かないように気をつけてください。
    さて、5月3日は憲法記念日で国民の祝日となっています。国会では憲法改正の機運が高まりつつありますが、今日くらいはこの日本国憲法を皆様と一緒に考えていける機会になればと思います。
    私が市議会議員になった3年前に比べだいぶ「憲法改正の議論ための議論」はしやすくなったのかなと感じます。数年前までは改正と言っただけで右翼認定されていましたので。

    数年前ほどではありませんが、未だに憲法改正の必要性を唱えると一部の人からは「憲法擁護義務も果たせない人間が政治家なんかやってんじゃねー!」といった論理を振りかざしてくる方がいますが、私にはなぜそのような論理になるのか納得は出来ません。
    公務員が憲法を遵守するというのは当然のことでありますし、特別公務員である地方議員も遵守するのは当然のことであります。しかし、同時に憲法には憲法改正についての要件も書かれています。憲法を改正すべきだという議論と、憲法を遵守しているかどうかは別の議論であり、それを同じ土俵で議論してしまっては結局はイデオロギーの対立でしかなく建設的な議論は出来ません。
    今日は佐竹知事も憲法改正推進派の集会に参加されているようですが、首長だからと言ってなんら制限を受けるものではないと思います。それよりも内容をしっかりと議論をすることが重要なのではないでしょうか。
    ちなみに、様々な団体で改正憲法の草案を発表していますが、私も所属させてもらっている日本青年会議所も草案を発表しています。残念ながらあんな草案には賛同できないどころか、今すぐに撤回すべきだと思っていますが、思想信条の自由を侵害することはできないので自由に議論していただきたいと思います。しかし、どうせ発表するのであれば日本国憲法とは何なのか、主体が誰で、誰に対して拘束力を持ち、様々な制限を加えるのであれば対象はどの範囲なのかをしっかりと考えなければそれこそ戦前回帰を思わせるものでしかないというのが正直なところです。

    さて、本題ですが私は憲法の改正は必要だと思っています。それは、自衛隊の地位が不安定なものであり時の内閣の解釈により合憲違憲いかようにでも判断できる状況は自衛隊にとっても国民にとっても好ましく無いと考えるからです。
    また、現行憲法上不安定な立場の人たちに有事の時は守ってねなんて私には言えません。一部の政党は自衛隊は違憲だと言っていますが、なぜ違憲の組織を廃止しようとはしないのでしょうか。
    先日テレビを見ていて驚いたのは、憲法は理想であり理想に現実を近づけていくのが政治家の責務だという国会議員の発言がありました。そうであれば、全ての憲法の条文がそのように捉えることができ、それこそ擁護義務の規定だって「理想」で片付けられてしまいます。
    そのようなことが起き無いようにも9条だけではなく様々な条文について現実に即し安定的な憲法を考えていくのが我々世代の責務だと私は考えています。

    個人的には9条の話も大切だけど、地方自治の所も積極的に議論するべきであると考えています。特に地方の政治家は。

    憲法擁護義務を伝家の宝刀にされてはこの議論も出来ない事になってしまいますが。。。

    話は変わりますが、私たち政治家がいくら改憲・護憲を叫んでも最終的に判断をするのは国民の皆さまです。
    仮に、憲法改正の発議がなされた場合に今のルール上での国民投票のやり方でいいのでしょうか?私は今のままでは改憲派を進める人たちに有利なだけで、今の憲法を守ろうと考えている人たちにとっては非常に不利なシステムになっています。
    現実問題として目の前に迫っている改憲の発議ですが、ルールは改憲派も護憲派も公平公正に出来るように案を出していくというのも今後求められるのでは無いでしょうか。また、土壇場になって「数の力で」という論理はさらなる国民の政治離れを生んでしまいます。
    どうか、今から十分な議論をしていただくよう期待しております。

    とりとめの無い話でしたが、思いつくままに書いてみました。
    今後様々な年代で、様々な考えの人たちが堂々と憲法観、国家観の話が出来ることための土壌を作っていかなければと思っていますし、そうなることを期待しています。