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  • 不安回避行動のためのPCR検査は今はまだ必要ない。

    今日から、秋田県議会の臨時議会がスタートしました。
    今回の補正予算は、国の二次補正に関連するのものが主であり、私が所属している福祉環境委員会では「感染拡大防止策と医療提供体制」に関する予算案の審査をし、私からは、PCR検査体制について質疑をしました。
    私の所にも、色々な人から息子や孫が帰ってくるが検査を受けられないかという問い合わせがきます。
    これから、夏休みやお盆などの帰省、また明日から始まってしまうGoToキャンペーンによる移動の活性化などを考慮し秋田県でのPCR検査を希望者などに受けさせるべきだという意見ですが、私はこれには大反対をしています。
    テレビや新聞などでも「検査の市民への拡充」を訴えるものもありますが、調べれば調べるほど現状の秋田県のフェーズでは「不安回避のための検査は絶対に不要である」という意思が強くなっていますし、検査自体の感度(病気の人を病気と正確に診断する確率)と特異度(病気でない人を正確に病気でないと診断する確率)を総合すると無闇に拡充すべきではありません。
    秋田県では4月16日から新たな感染者は確認されていません。また、秋田県も知事もこれからの不要不急の移動の自粛をお願いしています。特に首都圏からの移動や首都圏との往来は慎重であるべきです。
    社会全体でリスクを受け入れることと、不安があれば動かないという考えが重要であり、どうしても移動をしたい場合(移動しなければいけないではない)でかつ検査を受けたい場合は、首都圏からの移動を始める前に検査を受けるべきであり、移動を終わらせてから秋田で検査を受けるというのは、リスクと影響力が全然違います。また、秋田で検査を受けられるとなると、移動を推奨しているような間違ったメッセージを発することに繋がりかねません。
    任意診療として自己負担で民間医療機関が行う分には構いませんが、行政の検査を不安回避のために拡充する必要はありません。むしろ絶対にやるべきではありません。しかし検査体制を強化する必要はあります。それは、現行の基準のように「医師が必要と認める」検査を迅速に行い、万が一感染が確認された人がいた場合に積極的疫学調査で濃厚接触者の範囲を広げ検査がスムーズに出来る様にするためです。これから第二波、第三波が確実にくると言われている中で、自ら医療資源の枯渇に繋がるような道を歩むことはすべきではなくより慎重に行うべきです。
    クラスターが発生したらフェーズは変わりますが、今の秋田は医師の判断を優先させて陽性的中率を高めるべきであり、同時に不安がある場合はある程度行動を自制してもらう水際対策に注力しなければ、医療資源が枯渇する恐れすらあります。
    しかし、医療従事者や介護従事者、里帰り出産などの検査は積極的に行っていくべきだと考えます。
    これは、医療従事者に関しては接触機会が私たちとは全然違います。介護従事者に関しては万が一感染してしまった際には海外のようにクラスター化の危険性と重篤化の危険性があるからです。妊婦さんに関しては、心理的ストレスをある程度軽減しないといけないからです。

    未知のウイルスと呼ばれている新型コロナウイルスですが、当初よりも分かってきたことも多くあり、より正しく怖がることが可能になってきました。また、不安回避行動を取りたくなる気持ちも分かりますし、自分自身も検査をしてもらいたいという気持ちが無い訳ではありません。
    しかし、感情が優先してしまうことで、時としてそれ以上のリスクにさらされてしまう可能性も残っている中で自ら他のリスクを高める行動を取るべきではありません。
    PCR検査は万能ではなく、感染している可能性があるかどうかを計る手段にすぎません。
    このような状況下では、不安がある場合は自ら行動を制限することが重要であり、その点のご理解をお願いしたいです。