2017.03.15
東洋経済オンラインに木下斉さんが地方の衰退について面白い記事を書いていました。
【地方は結局「若者」を排除して自ら衰退する「若者に活躍してほしい」は、ほとんど口だけ】
フェイスブックやツイッターでも「同感!」とか「まったくその通り!」という声が老若男女多く見受けられました。
これは今始まったことではなく、人間が社会性を身につけた時からある問題だと思います。
で、各々のコメントや意見を読んでいて感じるのは、「そのためにあなたは何が出来るの?」ということです。
先輩たちも私たち「若者」と同じようなことを感じながら大人になっているのに、いまだにその風習が変わっていないということの方が問題だと私は思います。どこか他人事だったのではないでしょうか。
どこかでこの風習を変えなければいけないのではないでしょうか。
まちづくりを進めるのは行政でしょうか。
政治家でしょうか。
一部の有力者や見識者でしょうか。
どれも違います。私たちひとりひとりが当事者となり、住みよいまちを共に作り上げていくことが大切です。
行政が「私に何をしてくれるか」を考えるのではなく、「秋田市のために何が出来るか」を世代に関係なく考えていく必要があります。
10歳だろうが、20歳だろうが、50歳だろうが、80歳だろうが、街を良くしたいと思う気持ちがあれば年齢は関係なく対等です。
私もどちらかといえば若者の部類に入るのでしょうが、世渡りってのは絶対に必要で、上の世代が守りたいもの伝えたいものと、私たちの世代がやりたいことの調整ってのは絶対に必要で、どちらの世代も互いを否定するのではなく、聴く耳を持つことからスタートする必要があるんじゃないかなと感じることが多いです。
先輩たちからしてみたら、今まで自分たちが積み上げてきたものを否定されてしまう感じがするのではないでしょうか。
若者からしてみたら、自分の感性や考えが否定されアイデンティティ、人間性まで否定された気持ちになってしまうのではないでしょうか。
これまでのような、世代間での意見の違いや対立というのは地域にとって発展的な何かを生み出す確率を下げてしまう原因になってしまいます。
これから必要なのは、先輩たちの知恵と経験、若い人たちの発想と行動力を融合させて、なおかつ「多様性を認めること」です。
ちなみに、私の地元には土崎港まつりというお祭りがありますが、一時期自分の町内から若い人が一気に減った時がありました。その時のことを考えると、元気な先輩たちと、若い人たちの考えがぶつかってしまっていたのではないかと今振り返ると思います。
ここ数年は、若い人も準備段階から参加するようになったり、年間を通して飲みに行ったりするようになり、多世代で上手くコミュニケーションが取れるようになっているなと思います。
当然いきなり上手く改善したわけではなく、お互いに理解しあうことから始まったわけです。
上の世代が「それはダメ」と言うのは簡単ですが、ワンクッション入れて「どうしてそれをやりたいの?」とか「ここに問題があるから解決方法を考えてみよう」と一言入れるだけで若い人の次のアクションは変わります。
逆に若い世代もダメだと言われたから諦めたり反発するのではなく「仮にやるとしたらどんな方法がありますかね?」とか「先輩たちの時ってどんなでした?」とか聞き返すことで、先輩たちも少しは考えてくれるようになります。
お祭りでは「楽しいお祭りにしたい」という共通の目的がありそれに向かって進みますが、このプロセスはまちづくりや地域づくりでも一緒だと思います。
これからの地方は、未成年、若者、現役世代、高齢者といったジャンルわけをするのではなく、元気に活躍したい人は年齢に関係なく活躍できる環境を作っていくこと。そのために「多様性」を認めることは絶対に必要です。
ちなみに私は「多様性なんか糞食らえ」という考えの人の気持ちも尊重します。
さて、来週からは秋田県知事選がスタートし、4月2日からは秋田市長選挙も始まります。
私はあえて誰に投票してくださいとは言いませんが、皆さんが考える秋田の未来をこの人に託す!という人を見つけて、ぜひ投票所に足を運んでください。
それも、秋田のために自分ができるひとつのことです。