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  • ゲーム依存防止条例について思うこと

    2020.05.21

    こんばんは。秋田県議会議員の宇佐見康人です。
    新型コロナウィルスの対策真っ只中ですが、個人的に関心の高い大館市の「ゲーム依存防止条例」に関するニュースが飛び込んできましたので書かせていただきます。秋田県内のこととは言え、個別の自治体のことでもあるので難しいところではありますが、大館市から全県に派生しないとも限りませんので、基本的な考え方を。
    大館市教育委員会が条例の制定を検討をしている児童生徒のゲーム依存防止条例ですが、条例化を一時凍結する方針であることが分かりました。
    詳しくは、秋田魁新報の電子版をご覧ください。

    私も香川県の条例制定化を期に3月の総括審査の中でこのゲーム・ネットの依存や規制に関して秋田県教育委員会の考えをお聞きしました。

    ゲーム・ネットとの付き合い方についての質疑は35分くらいからです。

     

    ゲーム好きの一人としてはこの条例化を非常に危惧しています。個人的に、これからの時代は電気があるかぎり、インターネットの使用を避けて通る事はできないことから、規制を強化するのではなく、上手い付き合い方を教育していくべきだと考えていますし、3月の答弁では教育長も同じような考えを答えてくれました。

    「ゲーム障害、時間の制限」という言葉があるのは事実だし、対策を講じることは重要ですが、一方で、ネットやゲームを制限することが、ゲーム障害に対する効果的な措置となるかは不明確ですし、そう言った非科学的な根拠のもとに議論が進むのはとても危険なことです。

    今回のコロナウィルスの感染防止のための一斉休校でも感じましたが、このような時こそICTを活用した授業、遠隔授業、個別授業に対応できればと感じます。そのためにはネットやゲームを活用しない手はありませんし、子供達の教育の機会を奪ってしまった今こそ、ピンチをチャンスに変えていくべきです。

    ゲームは我が国が誇る娯楽です。そしてこれからeスポーツの普及に向けて国も力を入れていくとしている中で、子どもたちにとっては新しい職業、新しい可能性にもなります。私たち大人は、新しい可能性の芽を摘む権限はないと思いますし、また、クールジャパン戦略やプログラミング教育など、国全体の政策としてもネットやゲームは重視されています。

    また、ネットやゲームの規制と、依存症の対策は別物で、分けて議論をしないと不満だけが募る結果となると危惧しています。ゲームやネットをしないから関係ないと言うことではありません。

    依存症への対策として条例化を目指すのであれば、お酒やタバコも同様の規制をすることも十分にあり得ることです。大人だから、子供だからという視点ではなく、一人の人間としてどのように向き合うのかも考えなければいけないのではないでしょうか。

    依存症対策として行政として対策をするのであれば、あくまでも啓蒙や情報提供や、県が行っているインターネットセーフティ事業のウマホキャンプ程度に留め、どのようにネットやゲームで前向きなコミュニケーションが取れるのかを子どもたちに、そして私たち大人も考えていけるような機会にしていただきたいと考えています。

    ネットやゲームには悪い面もあれば、良い面もあります。私も、一生懸命ゲームをしたいた時期があり、学校に行きたくない時とか、部活から離れたいと思った時には助けられたし、相当やり込んだゲームもあります。悪い面だけではなく、ポジティブな面にもフォーカスして付き合い方を一緒に考えていければと思います。

     

    大館市では6月議会での提案にむけて準びをしていたそうですが、香川県で訴訟も起き当面はその行方を見守る方針になったそうですが、条例化が必要である考えに変わりはありませんので、引き続き推移を見守りたいと思います。