こんにちは。秋田市議会議員の宇佐見康人です。
昨日は「秋田っ子を健全に育む会」という団体の勉強会に参加させていただきました。同団体の講演会、パネルディスカッションに参加をさせていただきましたが、子どもの権利条約、子どもにやさしいまちづくりに主眼を置いていてとても共感しました。
私も、当選当初から一般質問で「子どもにやさしいまちづくり」という視点、「子ども権利条約」を取り入れた視点での質問をしていますが、少子化による人口減少がさらに加速していくこれからの時代はこれらの視点と「チャイルドフレンドリーシティ」という視点は必要不可欠だと思っています。
「子どもにやさしいまち」はユニセフで提唱しているのですが、以下の定義があります。
- まちの決定に影響を与えることができる
- 子どもたちが望む”まち”の在り方に関して意見を言うことができる
- 家族に、コミュニティ、社会生活に関わる
- 教育や保健などの基礎的サービスの供与に預かる
- 安全な水や衛生施設を使うことができる
- 搾取、暴力、虐待から守られる
- まちを安全に歩くことができる
- 友達と会い、遊ぶことができる
- 植物や動物のための緑地がある
- 汚染されていない環境で暮らす
- 文化的社会的行事に参加する
- 種族的出身、宗教的理由、あるいは収入の多い少ない、性別、そして障害のあるなしに関わらず、その町の平等な一員として如何なるサービスも受けることができる
秋田市でも子ども施策や子育て施策を積極的に展開していますし、東北を見渡しても引けを取らないくらい充実したメニューがあります。しかし、現役世代の社会減は続いていますし、そもそも他市町村に比べて充実しているということを知らない人が非常に多いと感じます。
なぜかと考えると、それらの施策は行政側から与えられたものであり自分たちで作っていったという意識が乏しいからではないでしょうか。
子どもの権利条約でも子どもにやさしいまちの理念の中にも「子どもたちの参画」というのがあります。子どもたちの意見を尊重し、子どもたちが自ら考え、意思決定に積極的に関わるというものですが、小さい時からそのようなことをしていれば自分自身が生まれた街やルーツに愛着と誇りを持ってくれると私は信じています。
残念ながら、秋田市ではまだまだ子どもたちの意見を聞く場を設ける機会は非常に少ないですので、今後も機会があるごとに提案していこうと思っています。
子ども施策、子育て施策を徹底的に充実させることを提言すると一部の人からは高齢者切り捨てという批判を受けますが、2、3年先のことを考えればそう言われても反論できません。しかし20年後30年後のことを考えれば、子育て移住者を増やしそこから新たな可能性を見いだすことができます。
また、もしかしたら東京や首都圏で生活をしている私たちの世代が秋田に戻ってきてくれる可能性もあります。それは、子どもたちだけではなく先輩たちにとっても幸せなことではないでしょうか。
大切なのは首都圏がこれらの施策を積極的に始める前に、地方の都市こそパンチのきいたやり方で進めていかなければいけないということです。都市部にやられてしまっては太刀打ちできなくなってしまうので。
子ども施策、子育て施策は票になりにくいと言われていますが、絶対に必要なことだと信じていますのでこれからも積極的に発言をしていきます。
最後に「子どもにやさしいまち」の基本理念を皆さんと共有して終わりとします。
- 1.子どもの参画:子どもの意見を聞きながら、意思決定過程に加わるように積極的参加を促すこと。
- 2.子どもにやさしい法的枠組み:子どもの権利を遵守するように法制度的な枠組みと手続きを保障すること。
- 3.都市全体に子どもの権利を保障する施策:子どもの権利条例に基づき、子どもにやさしいまちの詳細な総合計画と行動計画を定めて実施すること。
- 4.子どもの権利部門または調整機構:子どもたちの将来を見据えて、地方自治体の中に優先すべきことを保障する永続的仕組みを構築すること。
- 5.子どもへの影響評価:子どもに関わる法律や施策、そして事業について実施前、実施中そして実施後に子どもへの影響を評価する制度化された手続きが保障されること。
- 6.子どもに関する予算:子どものために適当な資源と予算が使われているかが調査されることを保障すること。
- 7.子どもの報告書の定期的発行:子どもたちと子どもの権利についての実情について十分なモニタリングとデータ収集が保障されること。
- 8.子どもの権利の広報:大人や子どもの間に子どもの権利について気づくことを保障すること。
- 9.子どものための独自の活動:子どものオンブズマン、子どものコミッショナーなど、子どもの権利を促進するために活動しているNGOや独立した人権団体の支援をすること。