11月議会での一般質問での答弁です。秋田市議会会議録検索より。
市長(穂積 志) 宇佐見議員の御質問にお答え申し上げます。
最初に、2の子供の貧困対策についての(1)プロジェクトチームの設置と、(2)の貧困の連鎖を断ち切る施策について、一括してお答えいたします。
本市では、子供の貧困対策を総合的に推進するため、今年度中に子供の貧困対策に関する計画を策定することとしております。子供の貧困問題は多岐にわたり、庁内の関係課所室の連携が不可欠であることから、本年5月に、福祉、教育など9課所室で組織する子どもの貧困対策庁内連絡会を設置し、連携の強化を図っているところであります。計画においては、貧困が連鎖することのないよう、経済的支援、教育・保育分野の支援、子供の成長の支援などを柱に掲げたいと考えております。具体的には、進学時の経済的支援制度に関する情報提供や、子供の学習サポートのほか、保護者にも学習の大切さを知ってもらう機会をつくるなど、実効性のある施策を検討しているところであります。今後も、すべての子供たちが自分の将来に夢と希望を持って成長できるよう、子供の貧困対策に総合的に取り組んでまいります。
次に、10の市長の政治姿勢についての(1)市長任期中の取り組みについてであります。私が平成21年4月に市長に就任してから、間もなく8年を迎えます。この間、子供を生み育てやすい社会づくりや、地域産業の振興と雇用の創出など、山積する課題に全力で取り組んでまいりました。中でも、待機児童対策については特に力を入れて取り組み、旧市長公舎の保育所分園への転用を初め、保育所の新増設に係る施設整備などを集中的に行うことで、6年連続で年度当初の待機児童ゼロを達成しております。さらに、放課後の児童の安全安心な居場所を確保するため、児童館を計画的に整備し、全小学校区へ配置するとともに、開館時間を延長いたしました。加えて、若者の地元定着にも寄与する施策として、企業誘致や商工業振興に取り組み、2,000人を超える新規雇用を創出したほか、アンダー35正社員化促進事業では申請が200人を超えるなど、雇用の質の向上も図っております。このほか、懸案であった家庭系ごみの有料化や受益と負担の適正化、新庁舎建設などについても正面から受けとめ、次の世代に引き継ぐことができる元気な秋田市づくりを進めてまいりました。人口減少下においても、成熟や質的な向上による暮らしの豊かさの実感へとつなげていくため、引き続き市政のかじ取り役を担わせていただき、全身全霊で市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
以下の御質問につきましては、担当部局長より答弁いたします。
竹内真理子子ども未来部長
1の子育て支援についての(1)第1子からの保育料の無償化についてお答えいたします。本市では、保育料階層を独自に細分化しているほか、すこやか子育て支援事業による保育料助成など、出生順位にかかわらず、第1子からの経済的負担の軽減を図っているところであります。また、国でも、幼児教育無償化の段階的取り組みとして、低所得のひとり親世帯等に対する第1子からの優遇措置などを進めております。第1子からの保育料無償化は、さらに多額の費用を要することから、現時点では困難と考えておりますが、今後も子供を生み育てやすい社会を目指し、効果ある子育て支援策の充実に努めてまいります。
次に、(2)の秋田市版ネウボラについてであります。本市では、これまで、医療機関からの情報提供により妊婦への支援を行ってまいりましたが、秋田市版ネウボラの開設以降、面接により把握した支援の必要な方々について、行政からも医療機関へ情報提供するなど、双方による支援体制の強化が図られました。また、妊娠・出産のみならず、さまざまな相談をいただいておりますが、保育施設等への入所相談がある場合は、利用者支援相談員である子育てナビゲーターにつなげるなど、切れ目なく相談に応じているところであります。このような体制を秋田市版ネウボラの特徴ととらえ、事業のさらなる周知を図るとともに、引き続き気軽に安心して相談ができるよう、一人一人に寄り添った支援に努めてまいります。
次に、(3)の日本一の子育て先進都市を目指す考えはないかについてであります。本市では、第2次子ども・子育て未来プランにおいて、「社会全体で子どもを育む」を理念に掲げ、各種施策を展開しているところであり、6年連続で年度当初の待機児童ゼロを達成しているほか、全国に先駆けて第2子保育料無償化事業を実施するなど、子育て支援に積極的に取り組んでおります。今後も、ユニセフが提唱する「子どもにやさしいまち」、いわゆるチャイルドフレンドリーシティの考え方などを踏まえ、庁内の連携を図りながら、温かく切れ目のない支援に努め、子育て先進都市を目指してまいります。
次に、2の子供の貧困対策についての(3)児童相談所の設置についてであります。改正児童福祉法では、国が施行後5年を目途に、中核市及び特別区に対し、児童相談所設置に必要な支援措置を講ずるとの検討規定が示されたところであります。本市への児童相談所の設置に当たっては、施設整備等に係る財源確保のほか、専門的人材の確保・育成、県との役割分担の明確化等が課題となっております。しかしながら、現段階では、これらに関する国の支援内容が具体的に示されていないことから、引き続き、国や県の動向を注視しながら検討してまいります。
次に、(4)の里親支援についてであります。里親支援事業は都道府県等が行うこととなっているため、本市では、里親会の活動に対する支援のほか、今年度からは、里親支援機関に協力し、里親制度普及促進のパンフレットやポスターを配布するなど、広報活動にも取り組んでおります。今後とも、県や関係機関と連携し、本制度に対する市民の理解が高まるよう、普及啓発等に積極的に努めてまいります。
秋山尚子市民生活部長
3の次世代が地域コミュニティーに参加できる環境づくりについての(1)若い世代の参加が少ないことに対する認識と対策についてお答えいたします。町内会活動等への若い世代の参加については、地域コミュニティーへの帰属意識の希薄化や無関心、多忙などの理由から少ない状況にあり、このことが町内会行事の縮小や役員の負担増、担い手不足といった諸問題の一因となっているものと認識しております。このため、本市では、若い世代にとって魅力的な地域活動が行われるよう、今年度作成した町内会・自治会ガイドブックに各町内会によるユニークな取り組み事例を掲載し、全町内会に配布したほか、新任の町内会長を対象とした地域活動座談会を市民サービスセンターごとに開催し、意見交換等を行っております。今後は、町内会活動に限らず、幅広いコミュニティー活動への参加を後押しするため、ホームページやSNS等を活用し情報を発信するなど、若い世代が参加しやすい環境の整備に努めてまいります。
次に、(2)子供たちがコミュニティーの担い手として意見を出すことができる場についてであります。本市では、地域の身近な課題を地域で解決する住民自治の理念のもと、市民の参加と協働によるまちづくりを進めており、子供を含むあらゆる世代の市民一人一人が当事者として参加することが基本であると考えております。こうしたことから、コミュニティーの担い手としての子供の参加や意見表明の場づくりは、市民協働の推進につながるものであり、秋田市子ども条例の理念にも通じるものと認識しております。市民協働は、県都『あきた』成長プランの基本理念の実現に向けて、市政のあらゆる場面で求められる視点であることから、各分野の事業の実施に当たっては、必要に応じて、子供の意見聴取についても個別に対応してまいります。
柿﨑武彦企画財政部長 登壇
4の県・市連携文化施設に係る駐車場の確保についての(1)駐車場の稼働率についてお答えいたします。稼働率を想定する前提条件となる駐車場料金や利用対象者などの駐車場の運用に関する事項を、来年度の施設運営管理計画策定に合わせて検討することから、現時点でお示しすることは困難であります。なお、近隣のにぎわい交流館の駐車場の回転率は1日当たり約2回転であることから、こうした周辺駐車場の状況も参考に検討していくべきと考えております。
次に、(2)の周辺の民間駐車場の活用と来館者の回遊性についてであります。駐車場については、これまでの県民・市民の意見を踏まえ、近隣に一定規模の駐車スペースを確保することとしたものであり、日常的に文化施設で活動する文化団体や市民などの施設利用者を主な利用者として想定しております。これ以外の公演やイベント時の来場者については、周辺の民間駐車場等との連携により対応することとしております。また、文化施設利用者が中心市街地を回遊することにより、周辺の商店街等への波及効果を期待しているところであり、関係者と協力しながら、一帯を芸術文化ゾーンとして面的に充実させることで、中心市街地のにぎわい創出につなげてまいりたいと考えております。
次に、8の土崎地区と秋田港の振興についての(2)戦争体験の次世代への継承についてであります。本市では、市内小学校を対象に平和の朗読会を開催しており、これまで延べ69校、約6,300人の児童や保護者に土崎空襲の悲劇と平和の大切さを伝えてまいりました。また、広島市と共催した原爆展を契機に、毎年、被爆者による講話会などを開催し、市内の全小・中・高等学校に周知することで、多くの若い世代に御来場いただいているほか、本市が加盟する関係団体との連携により、小中学生や大学生等を広島・長崎に派遣するなど、次世代の平和意識の醸成に努めております。戦後71年が経過し、戦争体験者が年々少なくなる中で、平成30年3月に開設予定の(仮称)土崎みなと歴史館を活用しながら、今後さらに、戦争の記憶を次世代に語り継ぐための施策を充実してまいります。
髙橋善健観光文化スポーツ部長
5のスポーツの振興についての(1)スタジアム建設の検討の可能性についてお答えいたします。現在、ブラウブリッツ秋田後援会などが呼びかけ団体となり、秋田市内に観客席1万席以上などのJ2昇格条件を備えたスタジアムの整備を要望する署名活動が行われており、来年3月以降には、県と本市に提出されると伺っております。スタジアムの整備につきましては、今後、県において、チームやスポーツ・経済団体、本市を含めた行政などにより、さまざまな整備の条件などを幅広く研究・協議できる場を設置する必要があるとしていることから、本市としても、こうした場を通じて協議・検討してまいります。
次に、(2)の事前キャンプ地の誘致活動についてであります。事前キャンプ地誘致に向けては、11月に知事と市長などがフィジー共和国を訪問し、同国の青年スポーツ省と、スポーツにおける国際交流の推進や相互理解と文化の尊重、若者がスポーツを学べる基盤づくりの発展などについて、協定を締結したところであります。今後は、スポーツ国際交流員の受け入れや、中学生ラグビーチームの相互交流などを進めるとともに、引き続き誘致活動を展開しながら、各種取り組みを広く市民に周知し、オリンピック・パラリンピックを目指すジュニアアスリートの育成についても支援してまいります。
次に、8の土崎地区と秋田港の振興についての(1)土崎神明社祭の曳山行事の観光資源としての活用についてであります。土崎神明社祭の曳山行事を本市の観光資源として生かしていくため、今回ともにユネスコ無形文化遺産となった角館祭りのやま行事、花輪祭の屋台行事の2行事とは、「食と芸能大祭典」などのイベントを通じて、その連携を確固たるものにした上で、全国における他の山・鉾・屋台行事との広域連携にも取り組んでまいりたいと考えております。また、同時に、曳山のミニチュアの製作・展示、パンフレットやホームページでのPRのほか、祭りを通じての人づくりやまちづくり、国内外への情報発信についても、土崎神明社奉賛会や土崎港曳山実行委員会など、地元の諸団体の皆様と協議しながら進めてまいりたいと考えております。
次に、(4)のポートタワー・セリオン周辺の回遊性についてであります。土崎地区には、本市の観光拠点の一つである道の駅あきた港ポートタワー・セリオンや、曳山の展示を計画している来年度完成予定の(仮称)土崎みなと歴史館、土崎神明社を初めとする由緒ある神社や仏閣のほか、周遊可能な観光施設として秋田城跡史跡公園・歴史資料館なども整備されております。今後、こうした施設や史跡をめぐるまちあるきマップの充実を図るほか、セリオンやキタスカ、JR土崎駅などを拠点とした、観光自転車などでの周遊ルートを提案してまいりたいと考えております。
次に、(5)のセリオン指定管理者に対する指導についてであります。セリオンの海鮮店舗については、指定管理者が公募の際に提案した自主事業でありますが、指定管理者と海鮮業者の契約が不調に終わり、平成27年4月の事業スタート時に海鮮店舗が開設できなかったことから、定期的に進捗状況の確認を続けてまいりました。その結果、指定管理者がみずから事業提案した責任を重く受けとめ、にぎわい創出や地域の活性化が期待できる海鮮店舗を来年2月にオープンする計画が提示されたものであります。
次に、9の大森山動物園についての(1)高病原性鳥インフルエンザについての安全安心の確保と来園者数への影響についてであります。11月15日に発生した高病原性鳥インフルエンザにより、園内の感染拡大防止を図ることが急務であったことや、来園者への影響を考慮して、発生の翌日から休園し、現在も閉園としております。大森山動物園としては前例のない事案であることから、感染症の専門家から指導を受けながら、これまでにない厳重な防疫体制をしき、園全体の徹底消毒や入院鳥類の定期的なウイルス検査、全鳥類の観察強化、職員と関係者の行動調査等を継続して行うなど、ウイルスの封じ込めに職員一丸となり緊張感を持って取り組んでおります。なお、終息までには一定の時間を要することが想定されることから、今年度の来園者数の減少は避けられないものと認識しております。
戸田郁夫都市整備部長
6の交通安全対策についての(1)子供の安全確保対策についてお答えいたします。子供の交通事故防止については、年間を通じ、交通指導隊による通学路等における街頭指導や、交通安全教育指導員による交通安全教室を開催し、交通ルールの遵守とマナーの実践に取り組んでいるほか、子供の安全確保の観点から、交通違反者に対する取り締まり強化について警察に働きかけているところであります。今後も、関係機関と連携しながら、交通安全意識の高揚や道路交通秩序の維持など、交通事故の未然防止に引き続き取り組んでまいります。
次に、(2)のゾーン30の徹底についてであります。ゾーン30については、地域要望に基づき、県警察本部が整備し規制しているものでありますが、運転者の理解不足等によって遵守されていない状況が見受けられております。こうしたことから、ゾーン内での規制が遵守されるよう警察本部に働きかけるほか、本市においても、当該区域での交通指導隊による街頭指導や、また、広報紙によるPR等により、周知に努めてまいります。
佐藤 修危機管理監
7の防災行政についての(1)避難所の運営マニュアルを地域住民を交えて作成していくべきではないかについてお答えいたします。避難所運営につきましては、避難所の特性や地域の人口、年齢構成等の実情を理解している地域住民が行うことが不可欠であることから、マニュアルの作成に当たっては、地域住民に加え、避難所の施設管理者、民生委員、地域にある福祉施設等、さまざまな方の意見を取り入れることが必要となります。このことから、小学校区を基本とした連合町内会などと運営組織の体制やルール等を協議し、避難所運営マニュアルの整備に向けた取り組みを進めてまいります。
次に、(2)の子供の災害食のアレルギー対策についてであります。本市では、アレルギーを持つ避難者への対応として、アレルゲン27品目を含まないアルファ化米を備蓄しており、今後もアレルギーのある方に配慮し、計画的に備蓄してまいります。
次に、(3)子供用おむつの備蓄状況についてであります。災害時用の食料や日用品については、市民サービスセンターや一部の小中学校等に分散備蓄しており、子供用おむつについては、県と市町村との共同備蓄計画に基づき、新生児用、S、M、Lの4つのサイズをそろえております。今後も、経年劣化等を考慮しながら計画的に備蓄を行ってまいります。また、保管状況につきましては、品目や数量について施設管理者等に周知しているところであり、今後も、品目の表示や掲示方法などをわかりやすくすることで、災害時に速やかな対応が可能となるよう努めてまいります。
榎 昌範産業振興部長
8の(3)クルーズ船の寄港に際してのターミナル施設の整備についてお答えいたします。本市では、これまで国や県に対し、秋田港の防波堤延伸による静穏度の向上や、国際コンテナターミナルの機能向上等を働きかけてきたところであります。今後の港湾整備については、現在、県が策定を進めている秋田港長期構想及び秋田港港湾計画への位置づけが必要とされていることから、本市としても、クルーズ船の寄港増加に向けたターミナル施設の整備が次期計画等に位置づけられるよう、県に働きかけてまいります。