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  • 請願は継続審査へ。イージス・アショアの配備は統一地方選挙の争点になるのか?

    こんにちは。秋田市議会議員の宇佐見康人です。
    今日は予算決算委員会が行われた後、総務委員会と建設委員会が開催されました。総務委員会では、イージス・アショアの配備に関しての請願が出されていましたが継続審査となりました。20名を軽く超える傍聴希望者が集まり、正庁で映像による傍聴もできるようになるくらいでした。他の分野もこれくらい注目してくれるように一政治家として頑張らねばと思ったところであります。
    ちなみに継続審査とは、会期中に議決されなかったものを次の会期(閉会中も含む)でも継続して審査できるようにすることです。秋田市議会は会期制を採用していますので、会期不継続の原則のもと会期中に議決がなされなかったものは廃案となります。今回は採択でも、不採択でもなくあくまで「継続」です。
    これから国の調査をもとに秋田市独自の調査も始めます。それらの結果を慎重に見極める必要もあるのではないでしょうか。

    ところで、先日の さきがけ新報の一面で「地上イージス選挙の争点 来春県・市議選 来夏参院選 穂積秋田市長が言及」という大きい見出しが踊っていました。(市長発言の私の解釈では「争点」というニュアンスではなく、「来春来夏には選挙もあるしその時の議会の意見を聞きながら判断したい」というニュアンスでしたが)
    確かに秋田市が抱えるイシューではあるものの、それだけを争点とするのはどうかと思います。他にも解決すべき課題は山ほどあります。また、イージス・アショアの配備が外からの脅威への対策とするならば、人口減少・少子超高齢社会・労働力確保など内の脅威への対策の議論はほとんどされていないのが現状です。
    それらをすっ飛ばしてワンイシュー化してしまうのはとても危険なことなのではないでしょうか。
    また、仮にこれからワンイシューという見せ方をするのであれば、少なくとも配備に反対する候補者が過半数は立候補しなければおかしい話になってしまいます。ちなみに秋田市議会議員の来年度の定数は36名となっていますので少なくとも19名は当選させなければいけません。現在50名近い立候補予定者がいるそうですが、議会制民主主義を採用している我が国においては誰が何票得票したかということよりも、過半数を取るということの方がとても重要なことです。
    また、私は県議会議員選挙への立候補を表明しましたが報道では来春に立候補を予定している方は現職10名、新人3名の構図だそうです。秋田市選挙区は12名が当選しますので少なくとも7名は明確に反対をしている人が当選させなければいけません。しかし現状ではそのような動きはまだ見られません。
    秋田市以外の地域を見てみると、無投票の地域もあるのではないかという報道もあります。これでは議会の中で多数派を取るというのは難しいのではないでしょうか。
    さらに、来年の夏には参議院選挙があります。現段階で自民党の現職の中泉松司さんと共産党の方しか立候補を予定している人はいません。一部報道では野党共闘で県議会議員の沼 谷さんに立候補を打診したとの情報もありますが、現段階では確定していません。いつ候補者が決まるかは分かりませんが、仮に反対している人が負けてしまった場合、民意を得たとして強引に進めてもいいのでしょうか?
    そんなことがあってはいけません。しっかりと防衛省の責任により、地域住民からの理解と協力を得るような努力とその姿勢を見せてもらわなければいけないのです。

    個人的にはこの手の話は感情やイデオロギーによって争点化するのではなく、客観的な事実を積み上げ検証をしていく作業というのが議会の中では重要なことだと思っています。
    日本全体の防衛を考えどこかが過度の負担をして我慢をするというのはあってはいけないことですが、沖縄のことを考えれば本州でも負担はこれからしていかなければいけません。
    ※なお、イージス・アショアの必要性そのものについては国会での議論を待つべきですので、そこには触れません。

    そういった観点を持ちながら議論を深めていきたいです。

    ※イージス・アショアの配備に関しての過去の記事は下記からご覧ください。

    ・2017年12月06日 地上型イージスの配置を秋田に??

    ・2017年12月10日 事実と感情は分けて議論をすべき。

    ・2017年12月15日 イージス関係の請願陳情に賛成しなかった理由

    ・2018年01月11日 地上型イージスの件で思うこと。

    ・2018年05年14日 イージス・アショアの配備について秋田県と秋田市に説明をするとの報道がありました。
    ・2018年06月03日 秋田市、秋田県に対する防衛省の説明。

    ・2018年06月15日 イージス・アショアの配備についての全員協議会

    ・2018年06月28日 地上イージスに関するアンケート

    ・2018年07月09日 地上イージスに関するアンケート・・・その2

    ・2018年07月25日 イージス・アショアについての全員協議会

    ・2018年08月01日 防衛力を高める必要性。

    ・2018年08月30日 7月24日の全員協議会について

    ・2018年12日12日 請願は継続審査へ。イージス・アショアの配備は統一地方選挙の争点になるのか?